壁ぬけの術幽体になると幽霊のように壁を簡単にすり抜けたり、つかもうと思った品を手がすり抜けてしまうと考える人もいるかもしれません。これは普通の人が幽霊に対して抱くイメージだと思います。 しかし実際のところ、幽体となった人は幽界にいるので、幽界の法則に従う事になります。幽界にある品物や建物は、幽界の物質でできていると考えたほうが理にかなっているのです。つまり幽体で幽界にあるコップをつかめば、それはちゃんと持つ事ができるのです。そんなわけで壁をすり抜けようとしても、普通はふすま一枚通りぬける事はできないものです。幽体離脱ができるようになる前、私はなんでも簡単にすり抜ける事ができると思っていて、いざ離脱して壁抜けならぬ「ふすま抜け」をしようとしてふすまに突進したのです。そうしたら、ドスッという音とともに体はふすまに衝突。ご丁寧にふすまがはずれて私はふすまごとバターンと倒れてしまったのでした。「なんだぁこりゃあ?」と思ったところで肉体に引き戻れてしまいました。肉体にもどって見るとふすまははずれてはいません。このふすまは幽界の物質でできていたのです。 しかし時にはどうしても壁抜けをして、中をのぞいてみたい場合もあって、何度か試しているうちに、抜ける事ができるようになりました。最初は目を閉じて壁に体を正面からくっつける事でそれをやっていました。そのとき「こうやったら抜けられるんだ」と強く信じる事です。でもそれでも成功率は低めでした。それに窓がある建物であれば、ガラス窓をたたき割って侵入することだってできるのです。空も飛べるわけですから、二階の鍵がかかってない窓をみつけるという手もあります。 ですがある時偶然、良い方法を見つけたのです。そのとき私は大きなビルの壁にもたれかかって空を見ていました。背中には壁にふれている感覚があったのですが、だんだんその感覚が消えてゆき、体が壁にめり込んでゆくのです。バランスを崩して後に倒れるとそこはビルの中でした。このことがあってから、壁抜けをしたいときは壁に背をむけてもたれかかるようにしています。この方法はなぜかうまくいきます。 しかし幽界の事だとはいっても、あまりのぞき趣味はよろしくはないですね。 ところで地面に寝転がっていたら体は大地に飲み込まれて、地球の中心に落ちていくとか地球の反対側に出るとか、そういう事があっても良いように思うのですが、そのときはいつまでも寝転がったままです。 |
|